算命学の中には様々な技法がありますが、その中で最も有名なのが天中殺ではないでしょうか。
「算命学は知らないけど天中殺占いは知っている」という人がいるぐらい知名度は高く、天中殺は算命学から独立して一つの占いと思っている人もいます。
実際、書籍の中にも「天中殺占い」として、丸々一冊天中殺だけの本が販売されていて、天中殺の研究は盛んです。
では天中殺とは何なのか?
天中殺は運勢の枠が外れる時期
天中殺は響きや字の印象から、世間では「悪い時期」というイメージがとても強いかと思います。
実際も基本的には「悪い時期」と判断することが多いのですが、正確にいうなら「運勢の枠が外れる時期」と考えます。
人はそれぞれ運勢のパイプのようなものが用意されていて、その中を上下動しながら運勢が上がったり下がったりを繰り返します。
しかし、天中殺の時期はそのパイプの枠が外されてしまい、運勢が本来の器以上に上下動して運勢が激しく波打つ状態になるのです。
分かりやすくいえば天中殺の時期は制御がきかなくなり、予想を越える出来事が起きる可能性をもつといえるでしょう。
それが必ずしも「悪い出来事」とは限らず、器を越えた予想以上の「良い出来事」が起きる場合もあるのです。
しかし、良い出来事が起きるのは特殊な例で、基本的には悪い方に枠を越えていくケースが多くなります。
ただ、そんな悪い出来事が起きる危険性をもつ天中殺も、過ごし方によっては悪い出来事を回避して平穏に過ごすことも可能です。
それを知る前にまずは、天中殺はどういう出来事が起きるのか解説します。
天中殺の現象
天中殺には、子丑天中殺・寅卯天中殺・午未天中殺・申酉天中殺・戌亥天中殺の6種類あります。
現象としては、どの天中殺も一緒と考えてもらって構いません。
天中殺は必ず誰にも12年の間に2年間だけ訪れます。
この時期は天の助けがなく、人生が思い通りには進みません。
僕がよく例えとして話すのは、「川の中に立っている時期」です。
川に立っていれば足元が不安定で落ち着かず、いてもたってもいられなくなり、その場から動こうともがきたくなります。
しかし、前に進もうとしても川が流れているので押し戻されて、前に進むことはできません。
また、川の中で築き上げたものは全て流されてしまうため、形として残すこともできません。
つまりまとめると
・落ち着かない時期:焦りが生まれて不安になりやすくなります
・動きたくなる時期:普段ならやらない意に反した行動を起こして失敗する恐れがあります。
・形が残らない時期:起業や転職や結婚など、新しく始めたことが長続きしにくくなります。
それ以外にも
・秘密が露見する時期:不倫や脱税など、隠し事があれば露見する恐れがあります。
・不満が爆発する時期:我慢していた不満を爆発して揉め事に発展する危険性があります。
天中殺は悪いことばかりではありません。良い現象もあります。
・病気が発覚する:隠れていたことが表に出ることから、病気は発覚しやすくなります。
・勉強が深まる:勉強ははかどり深く追求していくことができます。
では、これら様々な現象を抑えるにはどうしたら良いのか?
次は天中殺の過ごし方について解説します。
天中殺の過ごし方
先ほど天中殺を例えると、「川の中に立っているような状態」と説明しました。
そのため、立ってても落ち着かず前にも進めず苦しむことになります。
では、それを軽減させるためにどうしたら良いのか?
川の流れに抵抗せず「流される」ことです。
天中殺の時期は、積極的に動くよりも消極的に受身でいる方が問題は起こりにくくなります。
例えば、仕事ならお願いされたことは断らずに全て受け入れることが理想です。
ただし、川に無抵抗で流されれば、どこに連れていかれるかはわかりません。
それは自分の理想としている場所ではなく、下手したら望んでいない場所に流されていくこともあるでしょう。
それでも、流されてその状況を受け入れる方が、結果的には大きな問題ならず、上手くいけば良い結果に繋がっていくこともあり得ます。
それ以外にも
・ボランティア活動や寄付をする:「人のため」の奉仕的活動はプラスです。
・精神性を高める:勉強を含め自分磨きや信者仏閣へのお参りには良い時期です。
これらのことは、どの時期に行っても良いことではありますが、天中殺の時期に行えばより一段と運勢にとってプラスに働いてくれます。
まとめ
天中殺は「欲」を抑えることが大切で、「欲」を持たなければマイナスに働くことはかなり少なくなります。
できるだけ私欲を捨てて精神性を高め、奉仕の心を意識すると良いでしょう。